一般豚と阿波とん豚の比較

また、外見では生後3カ月齢頃まで猪の特徴である背中の縞模様(いわゆるウリ坊)を示し、その後、黒色あるいはこげ茶色の毛色になる個体がほとんどです。
肉色標準模型によって視覚で判断したポークカラースタンダード(PCS)は、阿波とん豚系統が、0・8ポイント程度高く、赤い肉であることが示されました。また、肉に一定の圧力をかけた時の肉片と肉汁の広がりをもとに算出する加圧保水性および進展率では、ともに阿波とん豚系統が高い傾向を示しました。これらの項目は肉質の指標としてよく用いられ、数値が高いほど良い肉とされ、ドリップとの関連性があります。

一方、肉の水分率は低い傾向を示し、マーブリングスコア(NPPCモデルを用いて視覚により判定)は高い傾向を示しました。肉の水分率と脂肪量は相反する関係にあることが知られており、阿波とん豚系統は筋肉内粗脂肪含量が高いことが示唆されました。 また、剪断力価は低い結果となりましたが、これは、いわゆるサシが入ることにより肉が柔らかくなったためと推察されます。